ALDH2はお酒を飲んだ後に生じるアセトアルデヒドという毒性物質を解毒する責任酵素ですので、以下のように遺伝子型を予測することができます。確実に知るためにはDNA検査が必要です。遺伝子型ごとに疾病への感受性が異なり、効果的な予防法が異なります(「ALDH2遺伝子型ごとの疾病予防」をご参照ください)。

 

ALDH2の1型遺伝子を2本持っている人(ワイルドタイプ・ノンフラッシャー)

飲酒を始めた頃、少量の飲酒では顔が赤くならなかった方 

ただし、年齢が上がってくると飲酒時に顔が赤くなりやすくなる方が多いようです

 

ALDH2の1型と2型の遺伝子を1本ずつ持っている人(ヘテロタイプ・フラッシングタイプ)

飲酒を始めた頃、少量飲酒ですぐ顔が赤くなる体質があった方 

飲酒を続けていると顔が赤くなりにくくなることもあるようです

 

ALDH2の2型遺伝子を2本持っている人(バリアントホモタイプ・下戸タイプ)

ごく少量の飲酒ですぐ顔が赤くなる方

頭痛、吐き気、動悸、眠くなる・息苦しい、気分が悪くなるなどの症状がある方 

いわゆる下戸の方です

 

※遺伝子型予測におけるADH1B遺伝子型の影響

  エタノールをアセトアルデヒドに変えるADH1Bにもコードする遺伝子に多型があります。1型遺伝子を持っている人(日本人では5%程度と考えられます)はアセトアルデヒドの生成が遅く、たとえALDH2の2型遺伝子を持っていても顔が赤くなりにくい体質となるため、遺伝子型の予測が外れやすいです。